大判例

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青森地方裁判所 昭和29年(行)12号 判決

原告 村井源次郎 外一七名

被告 向村議会

一、主  文

原告等の訴はこれを却下する。

訴訟費用は原告等の負担とする。

二、事  実

原告等訴訟代理人は「被告が昭和二十九年六月二十八日なした青森県三戸郡向村大字大向字泉山道の一部、字経ケ森の一部、字勘吉の一部、字後渡の一部、字後構の一部合計約一万三千坪を区域として都市計画法に基く土地区画事業を施行する旨の議決は無効であることを確認する。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求め、その請求の原因として、「原告等は請求の趣旨記載の土地のうち約一万二千坪につき各自その一部の所有者であるところ、昭和二十九年六月二十八日向村長山崎武雄によつて招集せられた被告村議会の臨時会において、前記一万三千坪の地域について都市計画法に基く土地区画整理事業を施行する旨の議決をなした。しかしながら右被告村議会の議決は次のような違法がある。

(イ)  本件は急施を要する案件ではないのにもかゝわらず、地方自治法第百一条第二項但書の「急施を要する場合」に該当するとして招集議決されたものであるが、かゝる違法な手続により招集された村議会の議決は当然無効であるといわなければならない。

(ロ)  また請求の趣旨記載の土地区域は何等都市計画の必要がないにもかゝわらず、被告村議会は単に原告等の所有権を侵害するためのみの意図のもとに本件議決をなしたものでありかくの如きは当然無効であることはいうまでもない。

よつて右議決の無効確認を求めるため本訴に及んだ。」と述べた。被告訴訟代理人は本案前の抗弁として主文同旨の判決を求め、「原告等は土地所有者として本訴を提起したものであるが、かくの如き者は被告においてなされた議決の有効無効を主張する適格を欠くものであるから、本訴は不適法として却下せらるべきである。」と述べ、

本案につき、「原告等の請求はこれを棄却する。訴訟費用は原告等の負担とする。」との判決を求め、答弁として「原告等が前記地域のうち各自その一部の所有権を有するものであること、被告が主張のとおりの議決をなしたことは争わないが、その余の事実は否認する。」と述べた。

三、理  由

よつてまず原告等の本訴請求の適否について判断するに、原告等は本件土地の所有者として、被告村議会が昭和二十九年六月二十八日の臨時会においてなした原告等所有地域につき都市計画法に基く土地区画整理事業を施行する旨の議決が無効である旨の確認を求むるものであるところ、凡そ都市計画としての土地区画整理事業は内閣の認可を受けて建設大臣の決定するところにより行政庁においてこれを行うべきものであり、村議会の決すべきものではない。従つて、被告村議会の前記議決の如きは単に向村の内部的、希望的意思の表明たるに止まりいまだ行政庁の国民に対する対外的行為ではなく、該土地所有者たる原告等の権利義務に関係ある行為ではない。かくの如きは行政争訟の目的とする行為ということができないことはいうまでもない。よつて本件訴はその余の判断を為すまでもなく不適法として却下すべく、訴訟費用の負担については民事訴訟法第八十九条を適用し主文の通り判決する。

(裁判官 工藤健作 中田早苗 田倉整)

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